現在小学2年生の次男もっちゃんは、昨年12月に突然様子がおかしくなりました。いろいろ調べるうちに「強迫性障害」の症状ではないかということがわかり、まずは病院をさがすことになりました。
子どもが強迫性障害かもしれない時には、どんな病院にかかったら良いのでしょうか?また、相談できるところはあるのでしょうか?
この記事では、体験者の私がどのようにして病院や相談窓口を探したのかを書いていきます。
同じように悩んでいる方の参考になればと思います。
※この記事は連載ものです
- 強迫性障害になった子どもへの家族の接し方と対応(体験談1)
- 子どもが強迫性障害になった時の病院や相談窓口は?(体験談2)←いまここ
- 子どもの強迫性障害「収集癖」の具体的な10の症状(体験談3)
- 強迫性障害の「巻き込み」に応じないための5つのコツ(体験談4)
- 子どもの強迫性障害、病院へ行かず薬なしで克服した方法(体験談5)
- 強迫性障害の子ども、小学校へは行かせる?休ませる?(体験談6)
- 強迫性障害の原因が判明!岡嶋美代先生のカウンセリング(体験談7)
- 強迫性障害を克服した本人へのインタビューと家族の変化(体験談8)
朝から続くパニック症状
早朝に目覚めた私は、もっちゃんのいつもと変わらない寝顔を見て「ここ数日のできごとはすべて夢だったのかもしれない!」と思いました。が、その期待はすぐに裏切られました。
朝起きてきたもっちゃんは、しかめっ面でまた私にこう聞いたのです。
「ねぇお母さん、○○ってもう捨てちゃった?」
もっちゃんは強迫性障害の症状によって、物に異常なまでに執着してしまうのです。
「もうとっくに捨てたよ。」
そう答えるともう大パニック!耳が痛いくらいの大声で泣き叫んで暴れます。お父さんもお兄ちゃんもまだ寝てるから静かにしようね、と言っても全く聞き入れません。
もっちゃんには、捨てた物を確認する以外にもこんな症状がありました。
- 床に落ちている小さな糸くずや髪の毛、ほこりなどのゴミを拾わずにいられない
- 鼻をかんだティッシュなど、明らかなゴミでもゴミ箱に捨てられない(仕方なくもっちゃん専用ゴミ入れを用意)
- ご飯を食べ終わった後のお皿に残った食べかすが洗い流されるのが嫌で、濡らしたティッシュでお皿がピカピカになるまで拭き取る。(→拭いたティッシュはもっちゃん専用のゴミ入れへ)
自分でもおかしなことをしているとわかってるし、やりたくはないんだともっちゃんは言います。でも、ゴミを捨てようとするとどうしても「捨てたらもう二度と会えない」という考えが浮かんできて、それに従うしかないのだそうです。
本人もとてもとても苦しんでいるのです。
自治体の相談窓口「教育相談室」
このままの状態では冬休み明けに小学校へ行くこともできないかもしれないと思った私は、まずは自治体で相談できるところがないか調べてみました。
すると、「教育相談室」という市の児童相談サービスがあることがわかりました。子どもの教育に関することや不登校などについて、匿名で相談ができるとのことでした。
早速電話をかけてみると、強迫性障害のような精神疾患については、月に数回来所する臨床心理士に相談してくださいと言われました。
臨床心理士との面談予約は最短で年明けの1月中旬でしたが、とりあえず予約を入れてもらいました。
親が希望すれば、子どもが通う小学校とも連携して支援してもらえるとのことで少し安心しました。
子どもの強迫性障害を診てもらえる病院
そして次は、診てもらえる病院をさがします。
まずは、自分が加入している医療保険の無料健康相談窓口に相談してみました。もっちゃんの様子をこまかく説明し、どんな病院へ行ったら良いかを相談してみました。
すると、子どもの精神疾患を専門に診てもらえるお医者さんが良いとのことで、児童精神科のある病院をすすめられました。
医療保険の相談窓口で教えてもらった児童精神科のある病院は2つありました。隣の市にあるA病院、それと自宅から車で1時間半くらいのところにあるB病院です。
電話で確認したところ、A病院の方は2ヶ月先まで予約がいっぱいです!診てもらうためには、まずは2月中旬に設定された予約日に電話をかけて予約を取らなくてはなりません。しかもその予約日には予約待ちの大勢の人達が一斉に電話をかけるので、混み合ってしまってつながらないかもしれないそうです。
次にB病院に確認すると、まずは自宅近くの精神科で診察してもらい、B病院への紹介状をお願いしてくださいとのことでした。つまり、直接の予約は受け付けていないというのです。
こんなに症状が出て本人も家族も苦しんでいるのに、診てもらうことができないなんて!やるせない気持ちでいっぱいでした。
B病院の電話口の方の話では、子どもの精神疾患は年々増え続けているので、予約を取るのもかなり大変な状況なんだそうです。自分の子どもがこういう状態になるまで、そんなことになっているなんて全く知りませんでした。
仕方がないので児童精神科はあきらめて、近所の精神科を調べることにしました。総合病院は年末で休診でしたが、個人経営の精神科の病院が近所にあり、まだお休みに入っていないことがわかりました。
しかし電話で確認してみると、「子どもの強迫性障害を診ることはできない」という残念な回答でした。薬の種類や量が大人とは違うからだそうです。そして、A病院かB病院に行くことをすすめられました。
もう病院に頼ることはできないなと思いました。
夫と話し合い、冬休みの間にまずは家でできることをすべてやってみようと決心しました。
本を読んでわかったこと
自力で何とかするためには、専門的な知識が必要です。そこで私は、書店に行って強迫性障害について詳しく書かれた本を買いました。そして家に帰ると、むさぼるように読みました。
その本には、こんなことが書かれていました。
- 薬物療法の子どもへの副作用の影響ははっきりしていない
- 子どもの強迫性障害の治療にも薬を使わない「行動療法」が有効である
- 親が治療者となって子どもと一緒に治療に取り組むことで、回復に導くことができる
本を読むまで、私は病院に行って薬をもらえば解決するものだと思っていましたが、実はそうではなかったのです。薬を使わずに治療する方法があったんだ!病院へ行けなくて逆にラッキーだったのかもしれない、と思いました。
本には、もっちゃんのように物に異常に執着してしまうタイプの強迫性障害の治療法についても詳しく書かれていて、簡単ではなさそうですが家でもなんとか取り組めそうです。
夫や長男のほーくんにも本を見せながら話をして、協力してもらうことになりました。
もちろん、おかしな考えに支配されて一番苦しんでいるもっちゃんにも、これから家でできることをしていくよ、という話をしました。
「家族みんなで協力して乗り越えようね」という話しをした時のもっちゃんの嬉しそうな顔を、私は今でもはっきりと覚えています。
まとめ
- 子どもの病気に関する相談窓口は結構いろいろある(自治体や加入している健康保険・医療保険など)ので、調べて活用する
- 児童精神科は非常に混んでおり予約が取りづらい
- 子どもの強迫性障害の場合には慎重な病院選びが必要
我が家の場合は家庭で治療を試みるという結論になりましたが、近くに適切な病院がある場合もあるので、まずはさがしてみてくださいね。
次回はもっちゃんの症状について詳しく書きたいと思います。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
≪参考文献≫2017年 株式会社ナツメ社 原井宏明・岡嶋美代著『やさしくわかる強迫性障害』
※参考文献はこちらの記事で詳しくご紹介しています
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