小学校に通う子どもが集団登校をしている場合、集合時間に間に合わなくていつもイライラしたり叱ったりしていませんか?
「まだご飯食べてるの?」
「今テレビ観てる時じゃないでしょ!」
「なんで今になって、学校のしたくをしてるの!」
「いいから早く行きなさい!みんな待ってるでしょっ!」
こんな風に朝から子どもとバトル、嫌ですよね。
こっちだってこんなこと言いたくないのに、言っても言っても変わらない。
自分の子だけじゃなくてよその子にも迷惑がかかるし、なんとかしなきゃ。
一体どうしたら間に合うようになるのかしら?
この記事では、朝からバトルを繰り返していた私がやってみて、子どもが見違えるほど変わった方法をご紹介します。
これは我が家の長男ほーくんが4年、次男もっちゃんが1年生の時のことです。
うちの子が集団登校班の班長に!
私たちが住んでいる地域は子供が少なく、ほーくんはまだ4年生なのに登校班の班長になりました。つまり、登校班の中で年長者になったのです。
3年生の時も集合時間に時々遅れることはありましたが、毎回ではなかったので、そんなに叱ることもありませんでした。
班長になったと聞いた私は、
「班長になったことだし責任感が生まれて今まで以上に遅れることはないだろうな。むしろ、ちょっと早めに行くようになるかも、ムフフ。」
と期待していました。
班長になって2週間くらいは、時間に遅れることなく登校していました。
ところがある日のこと、ほーくんがちょっと起きるのが遅かったために集合時間に3分くらい遅れてしまったことがありました。
私は焦りました。班長が集合時間に遅れるなんて考えられない!
その日の朝行く時はもちろん、学校から帰ってからもずっと ほーくんに
「班長なのに遅れるなんてありえない、みんなに迷惑でしょ!」
と言い続けました。ほーくんは黙ってそれを聞いていました。
どうして?集合時間に遅刻する回数が増えた
さて、その後どうなったかというと…。
ほーくんが集合時間に遅れる回数は、日ごとに増えていきました。
どうしてなの?
遅れるたびに叱ってみたり、話し合いの時間を作って”遅れることがなぜいけないか”を諭してみたり、父親から言ったら効くかも、と思って夫に話しをしてもらったり…。
いろんなことをしてみても、ほーくんは変わりませんでした。
それどころか、遅れる回数はさらに増えていったのです。
もっちゃんも“お兄ちゃんが遅いんだから僕もいいや”とのんびりしていました。
私は登校班のところまで行ってみんなに謝り、副班長の子に先に行っててねとお願いしたりしていました。
そんな時、出会った言葉
困り果てていたある日、偶然 図書館で見かけたある本の中で、親が子どもと接するときの注意が書かれた文章が目にとまりました。そこには、こんなことが書かれていました。
「子ども自身が考えなければならない問題を、親が肩代わりしないこと。」
これは心にグサッときました。
なぜなら私がやっていることそのままだったからです。
集合時間に間に合わないのは誰の問題?
そう、それは私の問題ではないのです。それなのになぜ私は一生懸命言い聞かせてきたんだろう。
それは、私が勝手にほーくんの問題を肩代わりしてしまっていたからでした。
また、「子どもをあんなに集合時間に遅れさせて、親は何をしているんだ。」と思われたくない、と世間体を気にしていた部分もありました。
気付きと実践、そして親の葛藤
集合時間に間に合わないのは“ほーくん自身の問題”であって、それは私が解決すべきことではない。
そのことに気付いた私は、その日から一切ほーくんを叱ったり諭したりすることはやめることにしました。これは私の問題ではなく、ほーくん自身の問題だからです。
私が何も言わなくなってからも、相変わらず時間に遅れる日は続きました。
その頃の時間に遅れる理由は“テレビをだらだら観ていて”というのがほとんどでした。しかも家を出る時間が2人が大好きなアニメ“はながっぱ”の途中なのです。特にもっちゃんが“はながっぱ”が大好きで、全部観るのをいつも楽しみにしていました。
集合時間になっても もっちゃんと一緒にテレビを観ているほーくんを見て、私がイライラしなかったかといえば、もちろん!イライラしましたよー。内心はすごく心配…。
だけど、私は“ほーくんが自分で問題に気付くこと”を信じると決めたのです。
だからそんな時は家の外に出て、植木に水をあげたり洗濯物を干したり…。
なんとか見ないようにしていました(笑)。
遅刻していた ほーくんが変わった!
そんな朝が続いたある日。
いつものように2人が“はながっぱ”を観ていた時でした。集合時間の少し前になると、ほーくんがスッとリモコンを手に取り、自らテレビを消したのです!!
そしてもっちゃんに、
「行くよ!ランドセル背負って。」
と言うではありませんか。
いつも時間に遅れることがないお子さんには当然のことかと思いますが、私にとってはものすごく感動的な、ほーくんの大きな変化でした。
それはほーくんが、問題を自分のものとして向き合った瞬間でした。
前までは私がテレビを消すと怒ってまた点けたりしてたのに!
あんなに言っても聞かなかったのに!
「行ってらっしゃい!!」
私は嬉し涙をこらえ、そう声に出すのが精一杯でした。
その後も、時間に遅れてしまうこともありましたが、
- 集合時間の3分前になったらアラームを鳴らす
- “はながっぱ”を全部観たいとごねるもっちゃんのために番組をビデオに録る
など、時間に遅れないように自分で考えて工夫できるようになりました。
そんなわけで、今では集合時間に遅れることはほぼなくなりました。
これらのことから私が学んだことは、
親が子どもの問題を肩代わりして解決しようとすることは、子どもの成長につながらない。そんなことをしなくても、信じて待つことで子どもはちゃんと問題を解決していく。
ということでした。
もう1つの気付き
それからもう1つ、これは今この記事を書いていて気付いた私の反省点ですが、ほーくんの最初の失敗をしつこく責めてしまったことです。
「この失敗からはどんなことがわかったかな?次に上手くいくためにはどうしたらいいと思う?」
と一緒に考えることも出来たのに、一度の失敗を必要以上に責めたことでほーくんは自信をなくしてしまったのでしょう。その後も何度も叱られることで“自分はダメなんだ”と思い込んでしまい、遅れる回数が増えてしまったのだと思います。
失敗は誰でもあります。子どもならなおさらです。そんな時、親は目くじらを立てずに
「そんな時もあるよね。でもあなたなら次はきっとできるよ。」
という、広い心で見守りたいものですね。
まとめ
今回は、子ども自身の問題は子どもに任せ、信じて見守ることで子どもの成長が期待できますよ、というご提案でしたがいかがでしたか?
親は子どもが困っていたり、こっちのやり方の方が良いのにと思うと、ついつい手を差し伸べたくなりますよね。
似たケースとしては、以下のようなことがありますので、同じように対応できそうですね。
- 子どもの忘れ物を学校に届ける
- 朝、子どもが着る洋服を選んであげる
- 子どもが1人で料理に挑戦している時に、やり方を指示する
子どもは、その子なりの問題を解決する力を持っています。その力を発揮するチャンスを親が奪ってしまうことのないよう、子どもと日々関わっていきたいものですね。