「あれ?もっと喜ぶと思ったのに、おかしいな?」
子どもが喜ぶだろうと思って用意したのに、思いのほか喜んでもらえずがっかりしたことはありませんか?
親である私たちは、自分の子どものことは何でもわかっているとつい思いがちです。
でも、子どもが本当に求めていることを、実際にはどれくらい理解できているのでしょうか?
この記事では、私が「子どもに勝手に期待していたんだなぁ」と気づき、それを手放したエピソードをご紹介します。
これを読めばもう、子どもにおかしな期待をしてしまうことはなくなるはずです。
私が子どもに期待してがっかりした体験談
次男との演劇鑑賞
先日、小2の次男もっちゃんと一緒に、ある演劇を観に行きました。
その演劇は、誰もが知っている昔話に少しアレンジを加えたお話しです。
簡単にあらすじを説明しますと、貧乏な生活で苦労して日銭を稼ぐ主人公の男の子は、あるとき手に入れたアイテムを使って大金持ちになります。
ところが、ぜいたくな暮らしに慣れてしまった男の子はしだいに大切なものを見失っていきます。
貧しかったけれど「愛」にあふれていた暮らし。
親、友だち、人の役に立ち働くこと…。
失くしてはじめて気がついた、お金よりも宝石よりも大切なもの。
主人公は、本当に大切なものを取り戻すため、悪に勇敢に立ち向かっていきます。
素晴らしい演劇に感動する親
90分間の演劇の中に、笑いあり涙ありステキな歌あり、そして会場全体を巻き込んだダイナミックな演出まであって、私にとってはすべてが素晴らしく感動の連続でした。
役者さんたちは、あるシーンでは涙を流しそれぞれの役に入り込んでいます。
それはもう演劇を楽しむというよりは、実在する人物の一生をみせてもらっているようで、私は夢中で物語に引き込まれていました。
子どもとは観客席が別になっていたため、もっちゃんと少し離れた席にすわっていた私は、頬をつたう涙をぬぐうことも忘れてクライマックスシーンに見入っていました。
素晴らしい演劇に子どもは?
カーテンコールでは拍手喝采、なかなか鳴りやまない大きな拍手…。
そして、観客たちに惜しまれながらの役者さんたちの退場。
会場を出た私は、興奮状態で隣を歩くもっちゃんに声をかけます。
母:「演劇すごかったねー!お母さん、感動しちゃったよ~(涙目)。」
も:「……。」
母:(あれれ?もっちゃん、なんだか浮かない顔してるけど…?)
母:「もっちゃん、演劇どうだった?」
も:「う~ん…。まぁまぁ楽しかったけど、途中から早く家に帰って宿題やったりテレビ観たりしたかった。」
母:(が~ん…(別の意味で涙目))
私は言葉を失いました。
なぜなら、私の中では「この素晴らしい演劇できっともっちゃんはものすごく感動して、たくさんの気づきを得るはず」だったからです。
そう考えたからこそ、大変な思いをしてまで何とかチケットを手に入れて、待ちに待った今日の演劇鑑賞だったのです。
それなのに、それなのに。
感動するどころか、「まぁまぁ楽しかった」って、おい!
次男への勝手な期待と決めつけ
そこで私は、あることを思い出しました。
先日参加した某セミナーの中で教えていただいたことなのですが、それは、
『自分とは違う人間の気持ちを100%理解することはできない』
ということです。
私はどこかで、「自分が産んだ子なんだから、子どもの考えてることくらいだいたいわかる」と思っていたところがありました。
話もできない赤ちゃんの頃からずっと世話をして毎日育てているうちに、どこかで子どもを自分の所有物のように感じてしまっていたのかも知れません。
もっちゃんが「何を見てどう感じるか?」
それはもっちゃんの自由であるはずなのに、私は「もっちゃんはこれを見てこんな風に感じるべき」と決めつけてしまっていたのです。
そのことに気づいた私は、なんだかとてもうれしくなりました。
これまでの私だったら、そんなことに気づくこともなく、ただもっちゃんの反応にがっかりするだけで終わっていたことでしょう。
そしてまた、新たにもっちゃんが感動するであろう「なにか」を探し求めて勝手に用意し、勝手に期待し、そして勝手にがっかりしていたことでしょう。
そう、「気づく」ことで人は変われるのです。
長男からみた親の勝手な期待
家に帰ると早速、私は今日の気づきを小5の長男のほーくんに伝えました。
そして、「お母さんに他にもそういうところがあったら教えてほしいな~。」とお願いしてみました。
すると、「それなら、いっぱいあるよ!」とほーくん。
母:(そ、そう、いっぱいあるんだ…また涙目)
ほ:「だいたいさぁ、嫌いだって言ってるもの(料理)何回も作って出してくるじゃん?あれホントやめてほしいんだよね。」
…確かにそうでした。
カラダに良いしおいしいんだから、食べるべき!食べられるようになる日がきっと来る!と家族に勝手に期待してました(汗)。
同じ素材でもいろんな調理法があるのにね…。
ほ:「それからさぁ、服!もう自分の好きなように選ばせてよ。これが似合うよ~とか言われても、それぜんぜん着たくないから!」
確かに…。私の好みを押し付けてたところ、あります。
一緒に洋服を買いに行っても、これがいいよ!着てるうちにきっと気に入るはず!って勝手に決めつけてました。
いったい誰が着る服なんでしょうね…。
他にもまだ出ましたが、もうこのへんでやめておきます(笑)。
「子どもへの期待」って、言いかたを変えたら「子どもが思いどおりになるという思い込み」なんですよね。
今回のことで気づかなかったら、私はそんな「思い込み」を持ったまま子育てをしていくことになっていたかもしれません。。
親に勝手に期待され続けたら、子どもはたまったもんじゃありませんよね。きっとどこかで爆発してしまうことでしょう。
まとめ
今回は、「子どもへの勝手な期待」に気づいた私の体験談をご紹介しましたが、いかがでしたか?
ここで、私が期待に気づいて手放すまでのステップをまとめておきます。
- 「自分とは違う人間の気持ちを100%理解することはできない」と知る
- 生活の中で子どもの反応に違和感を感じたら気づきのチャンス!
そう感じるということは自分が子どもに勝手に期待していた証拠です - 自分が子どもにどんな期待をしていたかを考えてみる(できれば書き出す)
- 「自分はこんなことを子どもに勝手に期待しちゃってたんだな」と気づくことで、自然に勝手な期待を手放すことができる
お子さんへの勝手な期待によってがっかりするのはもう、終わりにしませんか?
4つのステップ、よかったら試してみてくださいね。
少しでも参考になれば幸いです。
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