親は子どものことを、すべてわかったつもりになっていないでしょうか?
子どもの気持ちを、本当に理解できているのでしょうか?
今回は、私が小学5年生の長男ほーくんの気持ちを、本当の意味ではわかっていなかったことに気付いた出来事をご紹介します。
これを読んで、お子さんの気持ちを理解できているかどうかを考えてみていただけたらと思います。
長男の気持ちが理解不能だった出来事
最近、早く起きた朝は近所を散歩しているのですが、小学5年生の長男ほーくんが一緒についてくるようになりました。
成長とともに反抗的な態度も増えてきましたが、こうやって散歩についてくるなんてかわいいところもあります。
近所の散歩は5時半頃出発し、30分くらいかけて決まったコースを歩きます。
今の季節(10月下旬)、5時半は夜明け前で薄暗く肌寒いです。
犬が苦手な長男、その原因とは
この辺りでは犬を飼っている家が多いようで、毎回5匹以上は散歩中の犬に会います。
ところが、この犬に会うことはほーくんにとっては大問題なのです。
なぜかというと、ほーくんは犬が大の苦手!
犬の半径5メートル以内には近づくこともできないのです。
その原因は、ほーくんがまだヨチヨチ歩きをしていた2才くらいの頃にさかのぼります。
その頃、私たちは隣町にあるアパートで暮らしていました。
お散歩が大好きなほーくんを連れて、平日の夕方やお休みの日の朝など、よく近所を歩いていました。
散歩中には時々、小型犬(パグ)を連れたおばさんに会いました。
名前はブルちゃんといい、愛嬌のあるかわいらしい犬でした。
その日も、ブルちゃんを連れたおばさんと会いました。
そしていつものように飼い主のおばさんと挨拶を交わしました。
ほーくんはもともと慎重な性格ではありますが、動物には興味津々で、ブルちゃんが近づいてきてもニコニコ嬉しそうにしていました。
その時です!
ブルちゃんがほーくんに飛びついたのです!
そして、軽くですがほーくんの手にカプっと噛みついたのです。
「うわ~ん!」
突然のことにビックリしたほーくんは大声で泣き出しました。
そして、それまで見たこともないような恐怖に怯えた表情で泣き続けました。
飼い主のおばさんの話しでは、ブルちゃんは子どもが大好きで、じゃれて甘噛みをしたようだということでした。おばさんは何度も何度も私たちに謝りました。
確かにほーくんの手を見ても噛まれた跡はついていないので、その場で話しは終わりました。
それからというもの、ほーくんは犬が大の苦手になってしまったのです。
道を歩いている時に散歩中の犬に出会うと、ササーっといつのまにかどこかへ消えていき、またどこからともなく現れます。
見えない子どもの気持ち
私はそれに対していつもこう思っていました。
「噛まれたことで犬が嫌いになったのはわかる。でも、どうして紐につながれているのに怖いの?飼い主がいるんだし、紐を離すわけがないんだからそんなに怖がらなくてもいいのに。まったく意気地なしなんだから!」
そして朝の散歩の時にも犬に出会った途端、別の道へ行ってしまったほーくんに、私は「またか」と半ばあきれていました。
そしていつものように「そのうち戻ってくるし」と考え、私はこれまでどおりの道を行こうとしました。
でも、考えてみたら「こんな薄暗い早朝に小学生を一人で歩かせるなんて危険だ」と思い直し、私もほーくんと同じ道を行くことにしたのでした。
子どもの気持ちになったら見えたこと
ほーくんを追いかけながら、私はもう一度よーく考えてみたのです。
なぜほーくんは犬に出会っただけで、別の道へ行くほど嫌なんだろうと。
そうだ、ほーくんの気持ちになってみよう。
考えているうちに、私はやっとわかったのです。
ほーくんが噛まれたとき、犬は飼い主の持つ紐につながれた状態だったのです。
ほーくんとしては、飼い主がいるからといって安心はできないし、紐につながれているからといって大丈夫では全然なかったのです。
私はそのことに気付き、愕然としました。今まで10年近くも、ほーくんの”犬が怖い”という気持ちを、本当の意味でわかってはいなかったのです。
むしろ犬を怖がるほーくんにイライラしてさえいたのです。
だからこれまで、飼い主が犬を紐でつないでいても半径5メートル以内に近づけなかったんだね。
わかってあげなくてごめんね、ほーくん。
私が思っているよりもずっとずっと怖かったんだね。
本当に相手の気持ちに理解するって、こういうことなんだ!
そうして歩いているうちに、また前から散歩中の犬がやってきました。
今度は別の道がありません。
そこで、私はほーくんに聞きました。
「この道を一緒に戻ろうか?」と。
するとほーくんは、
「お母さんが盾になってくれればいいよ。」
と言いました。
そこで私は、ほーくんの前に立って犬が通り過ぎるのを待ちました。
私の後ろに隠れながら、ほーくんはなんだかとても嬉しそうでした。
言葉にしないとわからない気持ち
その他にもこんなことがありました。
我が家の洗濯カゴは、靴下を入れるカゴを別にしているのですが、最近ほーくんが靴下を専用のカゴに入れない時があるので困っていました。
「靴下はちゃんと靴下用のカゴに入れて欲しいな。」
と何度言っても脱衣所の床に放置。
そこで散歩の時のように、靴下を放置するほーくんの気持ちになって考えてみることにしました。
そして、ほーくんになりきって靴下を靴下用のカゴに入れようとしました。
すると、あることに気付いたのです。
定位置に戻さず脱衣所に置かれたままの掃除機が邪魔で、靴下を専用カゴに超入れにくかったんです。(犯人は私です 笑)
そこで、ほーくんにストレートに聞いてみたのです。
「もしかして、掃除機が邪魔で靴下をカゴに入れないの?」
するとほーくんの答えは、
「やっとわかった?」
本人との話し合い
そこで私は、良い機会だと思い、犬の件と靴下の件を合わせて、ほーくんとじっくり話し合うことにしました。
- 相手の気持ちを本当に理解しようとすることが大切だということ
- 自分が思っていることを相手に伝える努力も必要だということ
そして家族なんだから、お互いに思ったことはどんどん伝えたり確認しながら、仲良く暮らしていきたいねということで、話しはまとまりました。
ほーくんは、
「言わなくてもやってたら(行動で示していたら)わかるものだと思ってたけど、これからはどんどん言うようにするよ。」
と言ってくれたのでホッとしました。
そして早速、
「実はさ、もっと話しをちゃんと聞いてほしいんだよね。それからさ、…。」
そんなにあったの?でも、素直に話してくれて嬉しいな。
少し涙ぐんでしまったことは、ほーくんには内緒です。
まとめ
今回のことから私が学んだことは、本当に相手を理解しようとすること、そして自分の気持ちを言葉で伝えることの大切さでした。
いちばん近い場所にいる家族が気持ちの上ですれ違ってしまうことのないよう、”相手のことをわかろうとする気持ち”と”意見を言葉にして伝え合うこと”を大切にしていきたいなと思います。
家族にイライラしたり、上手くいかないな~と思った時は、まずは相手の気持ちを本当に理解してるかどうか、考えてみてはいかがでしょうか?
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