地震大国、日本では、いつどこで地震が起きてもおかしくないと言われています。
先日も北海道で大きな地震が起こり、テレビやインターネットでは悲惨な被害状況が繰り返し伝えられています。
被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
近年、実際に被災された方はもちろん、地震による悲惨な映像や画像を繰り返し目にすることにより、“地震恐怖”に悩む方が増えています。
あなたは今、自分の足元で次の瞬間に巨大地震が起きて大変なことになるのではないかと恐れおののいていませんか?
人に相談してもなかなか気持ちを分かってもらえず、苦しい思いをしているのではないでしょうか?
他の人は言います。
「考えすぎでしょ!!そんなこと起こるわけないよ。」
「もし仮にそうなったらさぁ、そうなった時に考えればいいじゃない。」
「なるようになるさ。」
でも、本当にそうかな…。
あなたにはとても、他の人が言うように考えることはできません。
こうしている間にも地震が来て、最悪の事態が起きたらと恐ろしい惨状を想像してしまい、夜もろくに眠れていないのではありませんか?
私もあなたと同じように、恐怖と苦しみを抱えながら、なんとか日常生活を送る日々を送っていたことがあります。
不安でいっぱいでした。当時は怖くて怖くて、心から笑うこともできませんでした。
でも、大丈夫ですよ。
明けない夜がないように、長いトンネルにも必ず出口があるように、また思いっきり笑って過ごせる日は必ずやってきます!
この記事では、地震恐怖を自力で克服した私が、実際にやってみた3つの方法をご紹介します。
私の場合 -東北地方太平洋沖地震-
2011年3月11日(金)午後2時46分、東北地方太平洋沖地震が発生しました。
当時私は会社員でしたが、2人目の子どもの育児休業中でした。地震の起こったその日のその時間、私と子どもたち3人は実家にいて昼寝の最中でした。
ゆら~り、ゆら~りとした気味の悪い揺れを感じて目を覚ました私は、嫌な予感がしてテレビを点けました。
そこには信じられないような悲惨な光景が映し出されており、それは映画の1シーンのようで、まるで現実味がありませんでした。
その日の夜から、地震への恐怖が少しずつ私の心を支配していきました。
私が住んでいる静岡県は、物心ついた頃から大きな地震がいつ起きてもおかしくないと言われて育ってきました。まだ幼い保育園児の頃から、地震のための防災訓練を頻繁に行っていたことを覚えています。
「今回の地震は東海地震の前触れかも知れない。そうでなくても、同じような地震はいつ起きてもおかしくないんだ。」
「子どもたちはまだ3才と、1才にもならない乳飲み子なのだ。大きな地震が来たら、この子たちを守ってあげられないかも知れない。」
悪い考えや想像が常に頭の中をグルグルしていて、息が苦しくなり動悸が激しくなることも頻繁にありました。
そんな時、私がまずしたことは、
地震への備えを万全にする
ことでした。
- 非常用水や非常食を家族全員の2週間分用意
- 冷蔵庫やテレビ、本棚などあらゆる家具の固定
- 非常持ち出し袋の中身見直し
- 窓ガラスの飛散防止対策
- アパートの2階ベランダに取り付け可能な避難バシゴの購入
- 家族内で避難場所と避難経路の確認
- 伝言ダイヤルサービスの利用方法の確認と練習
- アパートの管理会社に建物の耐震強度について確認
思いつく限りすべてのことをしました。
これだけで落ち着いたかといえばそんなことはありませんが、少しだけ落ち着きを取り戻すことはできました。
その後も主人や実家の父母、姉に不安な気持ちや自分の悪い想像を伝えては全く理解してもらえず、だんだん鬱陶しがられるようになっていました。
そうして日々を過ごすうちに、また少し楽になれる出来事がありました。
それは、
理解してくれる人を見つけた
ことです。
理解してもらえず苦しんでいたある日、義父母がアパートに野菜を届けにやってきました。そして、主人が私のことを、地震を怖がり過ぎて困っているんだと話しました。
すると、義父は主人にこう言ってくれたのです。
「怖いものは怖いんだから、仕方ないよな。
怖さとか辛さっていうのはさ、本人にしかわからないんだから。」
義父は私の地震恐怖に賛同してくれたわけではありません。でも、私に、“そのまま怖がっていてもいいんだよ。そのままでいいんだよ。”というメッセージをくれたのです。
「そっか、私、このまま怖がっていてもいいんだぁ。」
張りつめていた心がふっと緩んで、心底ホッとしました。
気がつくと、涙がポロポロこぼれていました。
まわりにそういう人がいなければ、インターネットでもいいと思います。きっとあなたと同じように悩んでいる人がいると思います。1人でもわかってくれる人がいれば、心が少し楽になりますよ。
最後は、
“今”に意識を向ける
です。
地震への過度な恐怖心がうまれるメカニズムについて、過去に起こった出来事(=地震)に注目することにより、まだ確定していない未来(=地震)を過剰に心配することで、必要以上に大きくなるのではないか。
そのように考えた私は、意識的に“今現在”に目を向けることにしました。
そうしてみると、地震に対する恐怖に関連してありがたいことがたくさんみえてきました。
例えば、
- 愛する人と結婚して子どもを授かったからこそ、こんなに地震が怖いと思える
- 今、元気に生きていられるから地震で死にたくないと思える
- 倒れたら困ると思える素敵な住まいがある
- 会社があるから、地震が起きたら仕事がどうなるのかと不安に思える
- 家族や友人がいるからこそ、この地震への恐怖についても話すことができる
といった感じです。
「私は感謝できることがいっぱいある中で生きていたんだなぁ、
本当にありがたいことだなぁ。」
そのように意識的に“今”に集中して日常生活を送るうち、徐々に不安は小さくなっていき、3か月後には地震恐怖を抜け出すことができていました。
現在の私
現在は、恐怖心を常に持つことはなくなりましたが、地震への備えは継続しています。あの時必死で考えたので、必要な対策はできていると思います。
あのような経験がなければ、いつかやろうと思ってはいても、きっとやらなかったでしょう。
苦しんだ日々は本当に辛かったけれど、あの時があったおかげで以前よりも人の気持ちがわかるようになりました。
本当の苦しみは当人にしかわからなくても、苦しんでいるその人をありのまま認めることはできるんだということにも気付けました。
そのことを教えてくれた義父には、今でも心から感謝しています。
これまで書いてきた私の体験があなたのお役に立てるかはわかりませんが、試してみようと思えたら是非やってみてください。
それが少しでもあなたの助けになれば、私はとても嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!