強迫性障害によって、意味がないとわかっている行動を長いあいだ続けてしまっていませんか?
そのような苦しみから一刻も早く抜け出したいと思っているなら、この記事がお役に立てるかもしれません。
我が家の次男(もっちゃん・当時小学1年生)は、発症から約3か月で強迫性障害を克服することができました。
今回は、病気と向き合い乗り越える間、私たち家族が繰り返し読んでお世話になったおすすめの本をご紹介します。
「強迫性障害」という名前すら知らなかった私たち家族が、病気のことを深く理解し、さらには家庭での治療に取り組めるまでになった本です。
それでは早速、ご紹介していきますね。
『図解やさしくわかる強迫性障害(著者 原井宏明・岡嶋美代)』について
とにかく、わかりやすい!題名に「やさしくわかる」とありますが、まさにそのとおりで、とっても「やさしく」そして「わかりやすい」んです。
なぜこんなにわかりやすい本ができたのか?
それは、著者である原井宏明先生と岡嶋美代先生のお言葉を読めばわかります。
本を開くと、岡嶋先生の「まえがき」がこのように始まります。
実は私は強迫性障害(OCD)の患者さんが大好きです。
(2017年 株式会社ナツメ社 原井宏明・岡嶋美代著『図解やさしくわかる強迫性障害』p.2より引用)
そして、原井先生の「あとがき」はこのように始まります。
私も共著の岡嶋氏と同様にOCDの患者さんが大好きです。
(2017年 株式会社ナツメ社 原井宏明・岡嶋美代著『図解やさしくわかる強迫性障害』p.159より引用)
そう、この本には原井先生と岡嶋先生の「強迫性障害の患者さんへの愛」が満ちあふれているのです。だからこんなにわかりやすい本ができたのだと私は思います。
それでは、中身についてご紹介していきます。
おすすめポイント1
強迫性障害になった本人の気持ちがよくわかる
この本では、まず最初に「強迫性障害(OCD)経験者座談会」が載っています。6人のさまざまなタイプの強迫性障害の方が、自分の経験を赤裸々に語っています。
ここで注目したいのは「本人の気持ち」です。周りの人からしたら「何やってるの?そんなことして一体何になるの?」と感じるようなことでも、本人は生きるか死ぬかぐらいの恐怖や不安を感じていることがあるのです。
私の次男は「収集癖」と「縁起強迫」がごちゃまぜというタイプでしたが、この体験談で出てくる方の意見と次男の言うことは似ている部分が多く、家族が本人の気持ちを理解するうえでとても助けになりました。
おすすめポイント2
強迫性障害のタイプがマンガでよくわかる
1章では、強迫性障害のさまざまなタイプについて解説があります。
文章での説明のとなりにマンガが載っているんですが、このマンガがすごいんです!症状について、明るくユーモアを交えて読者に伝えてくれるのです。
私は次男に強迫性障害という病気についても、症状のタイプについてもうまく説明できませんでした。そこで、この本のマンガのところを一緒に読んでみたところ、小学1年生でもよく理解できたようです。
次男はマンガに出てくるお姉さんに共感したようで、「そうそう、こうやって思っちゃうんだよ~。ボクのほかにも同じような人がいるんだね。」とちょっとホッとしたようでした。
マンガがあるおかげで、暗い気持ちになることなく症状を理解できるところが良いなと思います。
具体的には、次の8つのタイプが載っています。
- 不潔恐怖・洗浄強迫
- 加害恐怖・確認強迫
- 縁起強迫
- 強迫性緩慢
- 収集癖
- 不完全恐怖
- 疫病恐怖・洗浄強迫
- 不道徳恐怖・懺悔強迫
おすすめポイント3
その他 知りたいことがよくわかる
まず1章で強迫性障害のことをだいたい理解したら、次の2章では強迫性障害を治すための方法、家族にできることなどが書かれています。
そして3章では具体的な治療方法(薬物療法・家でも取り組める行動療法)の説明があり、4章では再発の防止と対処のしかたについて書かれています。
基本的なことはもちろんですが、その他本人や家族が気になることがしっかりと解説されています。まさに「かゆい所に手が届く」といった感じです。
例えば、私の「かゆい所ベスト5」はこれでした。
- 強迫性障害発症のきっかけとは?
- 強迫性障害は家族を巻き込みやすい
- 強迫性障害と薬物療法
- 子どもの強迫性障害にもERP(エクスポージャーと儀式妨害)は有効
- 収集癖のERP
ちょっと5つでは足りませんね(笑)。あと5つ挙げさせてください。
- 便利な社会が強迫性障害発症の温床になっている
- 重症度を判定するY-BOCS(精神科で重症度のチェックに用いられる診断テスト)
- 強迫性障害から回復後の家族のあり方
- 【体験談】強迫性障害に苦しむ娘に、症状好転の兆しが見えたとき
- 【コラム】犬や猫、鳥などの動物も強迫性障害になる?
他にもさまざまな角度からの謎や疑問の答えが載っているので、きっとあなたのかゆい所にも手が届くのではないかと思います。
ちなみに「【コラム】犬や猫~」では、実家で昔飼っていた猫がおそらく強迫性障害だったことがわかりビックリしました!
本全体を通して難しい言い回しは使わずに書かれているので、強迫性障害について全く知らなかった私でもよくわかりました。
中学生くらいであれば、一人で読んでも理解できるんじゃないかなと思います。
まとめ
今回は、自分や家族が強迫性障害になったらまず手に取っていただきたい私のおすすめ本『図解やさしくわかる強迫性障害』についてご紹介しました。
3つのおすすめポイントは以下のとおりです。
- 強迫性障害になった本人の気持ちがよくわかる
- 強迫性障害のタイプがマンガでよくわかる
- その他の知りたいことがよくわかる
この本があったからこそ、私たち家族は次男の強迫性障害を乗り越えることができました。ですから、自信を持っておすすめします。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
≪参考文献≫2017年 株式会社ナツメ社 原井宏明・岡嶋美代著『やさしくわかる強迫性障害』
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