せっかく克服した強迫性障害、できることならもう二度と不快な症状に悩まされたくありませんよね?
この記事では、強迫性障害を再発させないために普段から心がけたいことを、次男の体験からまとめました。
注)次男の場合は行動療法のみで治療をしたため、投薬治療をされている方は参考程度にご覧ください
次男の強迫性障害、克服はしたけれど
我が家の次男もっちゃん(現在小学2年生)は、ちょうど1年前の年末年始に強迫性障害の症状に苦しみました。
その後 家での行動療法に取り組み、3カ月くらいで強迫性障害を克服しました。
ところが、風邪を引いて高熱を出したときやイヤなことに向き合う(例:宿題で苦手な問題が大量に出たとき)場面になると、少し様子がおかしい時がありました。
具体的には、「捨てたゴミについて過剰に気にする」という、症状がひどく出ていた頃とよく似た様子が見られたのです。
そこで本人に話を聞いてみると、強迫観念は完全には消えたわけではなく、ふいに浮かんでくることがあるということでした。
強迫性障害がよくなった状態は「寛解(かんかい)」
調べてみると、強迫性障害がよくなった状態は「完治」とはいわず、「寛解(かんかい)」といういいかたをすることが多いようです。
寛解 → 症状が一時的に軽くなったり、消えたりした状態です。このまま治る可能性もあります。場合によっては再発するかもしれません。
出典:国立国語研究所
ということは、また症状があらわれる可能性はゼロではないということです。
書籍『図解やさしくわかる強迫性障害』にもこのように書かれていました。
「OCDは一度回復しても強迫の火種は、いつも頭の中にあり、再発の可能性はある」
≪2017年 株式会社ナツメ社 原井宏明・岡嶋美代著『やさしくわかる強迫性障害』p146より引用≫
強迫性障害の再発防止のための心がけ
その1 「強迫性障害はいつ再発してもおかしくない」ということを知っておく
というわけで、まずは強迫性障害は常に再発の危険と隣り合わせであるということを、本人も家族も理解しておくことが大切です。
これは単に再発を恐れろということではありません。
再発の可能性は常にあるのだと知っていれば、ベストな対策をとることができます。それにより、忘れたころに突然おそってくる強迫観念から身を守ることができるのです。
私は最初もっちゃんに対して、「あんなに辛い思いをして克服した強迫性障害のことは、なるべく早く忘れさせてあげたい」と思っていました。
でも、再発の可能性がゼロではないことを知り、克服した経験を今後に活かしていくことが必要なんだと思うようになりました。
その2 規則正しい生活(早寝・早起き・よく遊ぶ)
もっちゃんの場合、寝不足が続いたり体調を崩した時に強迫観念が浮かびやすいことが、この1年でわかりました。
規則正しい生活を送ることはやはり健康の基本なんですね。
なのでたまに夜遅く寝るようなことがあっても、次の日はそのぶん早く寝るよう声をかけたりと工夫しています。
そして、身体的な健康と同じく大切なのが精神的な健康です。
ストレスを溜めることがないよう、好きなことや時間を忘れて熱中できるものがあるといいですね。
そのような趣味が特にないようなら「散歩」がおすすめです。
季節の移り変わりを感じながら20分くらい歩くだけで、気分がスッキリしますよ。また、血のめぐりもよくなって身体がポカポカしてきます。
その3 症状がなくても、ときどき行動療法に取り組む
これは、『図解やさしくわかる強迫性障害』の中で推奨されている方法です。
OCDの症状がなくても、ときどきERP(※)をやること。日頃から心がけることで万が一再発したときも、すぐに対処できるメリットもある。
≪2017年 株式会社ナツメ社 原井宏明・岡嶋美代著『やさしくわかる強迫性障害』p145より引用≫
※ERP:「エクスポージャーと儀式妨害」強迫性障害に有効とされる行動療法
もっちゃんは時々、防災訓練のように強迫観念が浮かんだ場合を想定しては
「お前の言いなりなんかにならないぞ!」
といった言い返しの練習をしています。
防災訓練もいざという時にあわてないよう行いますが、まさにそれと同じ効果が期待できます。
そして、実際に強迫観念が浮かんできた時には訓練のとおり言い返しをしたり、以前やっていた行動療法(ERP)を思い出すようにしています。
浮かんでくる強迫観念はとても強烈なのだそうですが、がんばって無視しているとそのうち強迫観念はすーっと消えていきます。
本人もそのことがわかっているので、もうパニックを起こすようなことはありません。
まとめ
今回は、強迫性障害が再発してしまうことのないよう、生活の中で心がけると良いことをまとめてみました。
【強迫性障害の再発防止のための心がけ】
-
- 「強迫性障害はいつ再発してもおかしくない」ことを知っておく
- 規則正しい生活(早寝・早起き・よく遊ぶ)
- 症状がなくても、ときどき行動療法に取り組む
強迫性障害の再発を防止して、毎日楽しくいきいきと過ごしていきたいものですね。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
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