強迫性障害を克服した本人へのインタビューと家族の変化(体験談8)

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強迫性障害を克服した本人の気持ちと家族の変化

我が家の次男もっちゃんは、小学1年生の冬休みに強迫性障害の症状が現れました。

本人も家族も辛い年末年始を過ごしましたが、その後専門家の指導を受けながら家庭での行動療法に取り組み、3月末にはすっかり良くなりました。

今回の記事では、現在小学2年生のもっちゃんに治療中の気持ちなどを聞いてみました。強迫性障害を克服した今、本人は当時をどのように振り返るのでしょうか?

また、本人とともに病気を乗り越えた家族には、どんな変化があったのでしょうか?

これを読めば、強迫性障害になった子ども本人の気持ち、そして家族がどう変わったかがよくわかります。

※この記事は連載ものです

  1. 強迫性障害になった子どもへの家族の接し方と対応(体験談1)
  2. 子どもが強迫性障害になった時の病院や相談窓口は?(体験談2)
  3. 子どもの強迫性障害「収集癖」の具体的な10の症状(体験談3)
  4. 強迫性障害の「巻き込み」に応じないための5つのコツ(体験談4)
  5. 子どもの強迫性障害、病院へ行かず薬なしで克服した方法(体験談5)
  6. 強迫性障害の子ども、小学校へは行かせる?休ませる?(体験談6)
  7. 強迫性障害の原因が判明!岡嶋美代先生のカウンセリング(体験談7)
  8. 強迫性障害を克服した本人へのインタビューと家族の変化(体験談8)←いまここ

強迫性障害を克服した本人の気持ち
【もっちゃんインタビュー】

強迫性障害を克服した本人の気持ちと家族の変化

当時を振り返って、大変だったことは?

『気にする君(強迫観念につけた名前)』の言う通りにしないで無視することがすごく大変だった。

でも、『気にする君』の言う通りにしても悲しくなるだけだから、それに「もっともっと」って『気にする君』が言ってくるから、やらないようにがんばったよ。

あと、『気にする君』の言う通りになる自分は嫌だったからがんばった。

『気にする君』の声が小さくなって最後のごみが捨てられた時は、どんな気分だった?

すごーくスッキリした。それにすごく嬉しかったし、楽になった。

もう何でもかんでも拾わなくてすむし、取っておかなくていいし、やらなきゃいけないことが減って「ヤッター!うれしー!」って思った。

家族へのメッセージはある?

みんなで『気にする君』をやっつけたからやりやすかったし、気持ちが強くなれた。ひとりじゃ多分(『気にする君』を)抑え込めなかったし、がんばれなかったと思う。

みんなのアドバイス通りにするのは大変だったけど、教えてもらえてよかった。ありがとう。

『気にする君』はまだ何か言ってくることはある?

強迫性障害を克服した子どもの気持ちと家族の変化

また出てくる時もあるけど、ちょっとぐらいだったら気にならないし、出てきてももう大丈夫!って思う。

『気にする君』に言いたいことは?

「もうおまえなんかに負けないぞ!もう前みたいにはならないぞ!」

昔のもっちゃんと同じように、今『気にする君』と闘っている人へのメッセージは?

あんまり『気にする君』の言うことを聞いてるとどんどん大変になっちゃうから、最初のうちに無視してやっつけちゃったほうがいいよ。『気にする君』に負けないで、家来(けらい)みたいにしちゃうといいんだよ。

大変だと思うけど、がんばってね。

 

以上、もっちゃんへのインタビューでした。

子どもなりに経験から多くのことを学んだようです。もっちゃん、本当によくがんばったね!

強迫性障害を克服した家族の変化

私(母親)の変化

私自身、幼いころから少し強迫っぽいところがありました。例えば、机の上の物が平行になっていないと気持ち悪いだとか、左右対称に物を置きたいとか、そういった小さなことです。

でも、もっちゃんが強迫性障害になっていろいろ調べるうちに、そういう考え(こうあるべき)は自分が勝手に創り出しているだけなんだということが分かりました。

そう気づいてからは、あえて物をぐちゃぐちゃに置いてみたりして慣れていき、今では結構平気になりました。

強迫性障害を克服した本人の気持ちと家族の変化

それから、私は子育てでも「子どもはこうするべき」「親はこうあるべき」といった思考をたくさん持っていて、子どもが自分の思いどおりにならないと何とか言うことを聞かせようとするところがありました。つまり、子どもを支配下に置き、コントロールしようとしていたのです。

例えば、おもちゃを片付けないと「もう捨てちゃうよ!」と脅したり、言うことを聞かないと不機嫌になって物に当たったり大きな声を出すこともありました。

子どもたちはきっと、ずっと息苦しかったと思います。

家族カウンセリングを受けてもっちゃんが気持ちを表せなかったことを知り、私はこれまでの態度を深く反省しました。

それからの私は、だいぶ変わることができたと思います。自分の意見だけでなく、普段から子どもの意見を聞くようになりました。また、「こうあるべき」という思考を手放し、子どものやることになるべく口を出さないように心がけています。

ほーくん(兄)の変化

強迫性障害を克服した本人の気持ちと家族の変化

もっちゃんは以前は、ほーくんの言いなりになることが多かったです。何をして遊ぶか、どんなルールにするか、全部ほーくんの言う通りにしていました。

ほーくんももっちゃんの意見はあまり聞かないで、自分の意見が絶対という感じでした。(今気づいたのですが、ほーくん、私と同じですね…)

ところが、もっちゃんが強迫性障害になってからは、「今日は何して遊ぶ?」ともっちゃんの意見を聞くようになりました。(これも私と同じ!)

相手のことを考え、尊重できるようになったようです。

何がほーくんを変えたのだろう?と思っていましたが … 今この記事を書いていて分かりました。私が変わったことで、きっとほーくんも変わったのでしょう。

もっちゃん(本人)の変化

強迫性障害を克服した本人の気持ちと家族の変化

それまであまり自分の意見が言えなかったもっちゃんでしたが、強迫性障害を克服してからは自分の考えや思っていることを相手にちゃんと伝えられるようになりました。

友だちとの付き合い方も変わりました。これまではあまり気乗りしなくても断れなかった友だちの誘いを、きっぱりと断れるようになったのです。

夫(父親)の変化

強迫性障害を克服した本人の気持ちと家族の変化

夫は仕事が忙しく、家にいる時間が少ないため子どもとじっくり向き合う時間を多くは取れません。

でももっちゃんのことがあってからは、以前にくらべて家族との関わりが深くなったように思います。ある時は子どもたちと外で思いっきり遊び、またある時はお風呂で真剣に何か話し込んだりしています。

私との関係でも、以前は遠慮して私の意見に合わせるようなところがありましたが、ちゃんと自分の意見を伝えてくれるようになりました。(夫にも高圧的だったのかな … 反省です)

まとめ

強迫性障害を克服した本人の気持ちと家族の変化

今回は、強迫性障害を克服した本人へのインタビューと、家族の変化を書きました。

こうしてあらためて振り返ってみると、もっちゃんの強迫性障害は私たち家族にたくさんのことを教えてくれ、そして私たちを大きく成長させてくれました。

また、ただ普通に日常生活を送れることのありがたさにも気づかせてくれました。

私たち家族はこの経験を糧に、これからも毎日を大切に生きていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。(連載終わり)

 

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