実家の敷地内に、親世帯と子夫婦世帯の家が別にある同居スタイルのことを“敷地内同居”または“敷地内別居”といいます。(この記事では、“敷地内同居”と呼びます)
田舎などで実家の敷地に余裕がある場合に多く、土地代がかからないのが最大のメリットです。
しかし、敷地内とはいえ同居は同居です。実際に住んでみないとどんな問題があるかわかりませんし、住んでから「もう、やめたい!」と思っても住まいを変えることは簡単なことではありません。
そこで今回は、敷地内同居を始めて約4年の私から、敷地内同居の金銭面以外のメリット・デメリットをご紹介します。
この記事を読めば敷地内同居がどんな暮らしなのか想像でき、あなたにとって最良の決断ができることでしょう。
敷地内同居で一番大切なことは?
私たちは、子どもの小学校入学に合わせて夫の実家敷地内に家を新築しました。家を建てるにあたり、まず夫と私それぞれが絶対に譲れない条件を出し合いました。
- 夫:自分の実家敷地内に住むこと
- 私:親とは家を別々にすること
そこで、それぞれの条件がマッチする敷地内同居をすることに決めました。
正直言って、私はベタベタした人付き合いが苦手なので敷地内同居ですら避けたかったのですが、そこは夫婦で話し合った結果なので納得しています。
ですが、これがもしもどちらか一方の意見だけを優先しての決断だとしたら、何かトラブルが起こった時、相手のせいにしてしまうかもしれません。
ですから、敷地内同居をするかどうか決める時は夫婦間でしっかりと話し合いをすることが大切だと思います。夫婦は対等な立場です。それぞれの本音をちゃんと出し合い、お互いが納得できる結論を出すことが重要です。
それでは、メリット・デメリットについて書いていきます。
敷地内同居のメリット
1 いざという時に助け合える
先日、義母が夜中に具合が悪くなり病院に連れて行くということがありました。
幸い大事には至らず良かったのですが、義父がお酒を飲んでしまって車の運転ができないということで、我が家に助けを求め、こちらもすぐに対応することができました。
離れて住んでいたら こんな時、助けを呼んだり移動するのに時間がかかってしまいます。その点、隣同士ならすぐに駆けつけられるのでとても便利です。
親もだんだん高齢になっていくし、子世帯でもいつ何があるかわかりません。いざという時に助け合えるのは大きなメリットと言えるでしょう。
2 子どもを預けやすい
子夫婦世帯に子どもがいる場合、都合が合えば親に預かってもらえます。ちょっとした買い物でも、子どもを連れていくと兄弟で追いかけっこを始めたりお菓子を欲しがったりとゆっくり買い物ができません。そういう時、子どもを預かってもらえると本当に助かります。
また仕事をしている場合、幼稚園の送迎や小学校の帰りが早い日の預かりなどを親に引き受けてもらえたら、ありがたいですね。
ただし、今は祖父母の“孫疲れ”が問題になることも少なくありませんから、あまり負担にならないよう気をつけたいものです。
3 行き来がしやすいので、泊まらなくて済む
義実家へのお泊まりって気疲れしませんか?私は気を遣うのですごく苦手です。
ところが、敷地内同居ならお泊まりなんて必要ありません。
時間が遅くなっても大丈夫、夫婦でお酒を飲んだっていいんです、隣だから歩いてすぐに帰れますからね。もしも夫や子供が泊まりたければ、それは自由に泊まってもらえば良いことです。
これは実際に住んでみてわかったことですが、私にとっては一番嬉しいメリットです(笑)。
敷地内同居のデメリットと対策
1 プライバシーの問題
家が別とはいえ、すぐ隣に家があるのですから、お互いに嫌でも行動が目に入ります。
相手が過干渉な場合は、「夜遅くによく出掛けるね。」「洗濯物を取り込むのが遅いんだね。」などと言われて不愉快な思いをしたり、また”子育てに介入されて嫌だ”という悩みを友人達から聞きます。
距離が近いので仕方のないことですが、干渉が苦手な人には大問題です。
あまりに干渉が気になる場合は夫に頼んで、「私たちの生活に干渉しないでほしい。」と親に伝えてもらえると良いですね。それか、何を言われても気にしないことです。
2 役割分担をハッキリさせないと揉める
敷地がはっきり分かれていない場合は特に、草刈りや庭の手入れをいつ、どちらが、どこまでやるのかを決めておいた方が良いです。これは、実際に我が家も揉めたので話し合って決まりを作りました。
他にも、土地が一緒であるがために発生しそうな問題は、最初に話し合って役割分担を決めておくことをおすすめします。それは例えば、以下のようなことです。
- 町内会の付き合い(公民館や神社の掃除・祭などの行事・町内会費の負担など)
- 近所の付き合い(慶弔など)
- お寺の付き合い(法事など)
3 行き来しやすいがために起こるトラブル
隣同士ということで、すぐに行き来できるのは便利ではありますが、厄介なこともあります。
私は今の暮らしを始める前、敷地内同居をしている友人達から、
- 義母が合鍵を使っていつの間にか家に上がり込んで来たことがあってビックリした
- 義父が孫に会いたくて時間をわきまえず何度も訪ねてきて迷惑している
- 義母が暇になると訪ねてきては30分以上 近所のどうでもいい噂話をしてきて困る
など、様々な問題を耳にしていました。こういったことが平気な方は大丈夫ですが、私は絶対にイヤだと思ったので、敷地内同居を始める時に義両親との間で次のようなルールを決めました。
- 合鍵は渡さない(旅行の時などは必要に応じて預ける)
- 親子であっても別世帯と考え、お互いに過剰な干渉はしない
- 玄関は常に施錠しておき、用事がある時はチャイムを鳴らす(ただし、在宅時でも出られない時もある)
このルールのおかげで、我が家は今のところストレスなく過ごせています。
昔ながらの深い付き合いを好む義父母は、始めは少しショックを受けたようでしたが、こういうことは最初が肝心です!
お互いが気持ちよく過ごすためにも、干渉が苦手な方は特にこういったルールを作ることをおすすめします。
まとめ
敷地内同居のメリット・デメリットとその対策はいかがでしたか?
いろいろな家族のカタチがありますが、私が考える”敷地内同居が上手くいくためのポイント”は、
- 敷地内同居をするかしないか、まずは夫婦でしっかりと話し合うこと
- お互いのプライベートに過剰に干渉しない、させない
- 親しき中にも礼儀あり、適度な距離感を保つ
ということです。
結論としては、自分たちの考えを親世帯にちゃんと伝え、また親世帯の意見も聞いた上で一定のルールを決めることが出来るなら、敷地内同居は成功するのではないかと考えます。
実際、私たちはルールがあるおかげで今の暮らしにとても満足しています。
ですが反対に、そういった話し合いにも応じないような親世帯との敷地内同居はやめておくのが無難だと思います。
これから長い間住む家ですから、皆様にとってベストな選択ができることを願っています。
そして、この記事が少しでもその助けになれば幸いです。
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